重度歯周病(歯槽膿漏)になったら、入れ歯にするしかない!?可能な治療方法は??
歯周病は、かつて「歯槽膿漏(しそうのうろう)」と呼ばれていました。『「膿」が「漏(も)」れ出てくる』と書くのですから、名前だけでも恐ろしいイメージを持つかもしれません。
しかし、膿が出るだけでなく、さまざまな症状が現れ、歯が抜け落ちるほどの本当に恐ろしい病気なのです。
重度の歯周病の症状
重度の歯周病の症状には、主に次のようなものがあります。
- 歯肉の出血
- 歯肉の腫れ
- 歯のグラつき
- 歯並びの乱れ
- 知覚過敏(歯根露出による)
- 歯肉からの排膿
- 噛むと痛む
- 口臭がきつくなる
歯を支える骨が吸収されてしまうので、歯のグラつきが生じますが、ひどくなると歯が抜け落ちてしまいます。
また、これだけの症状がありながら、痛みがない場合もありますし、審美性にも悪影響が及びます。
重度(末期)の歯周病になると、歯周ポケットの深さは6~8ミリとなりますが、ひどい場合では10ミリに達する場合もあります。
外科的手術(歯周外科)が必要になる場合もあります
重度歯周病になると、歯周病の初期治療やルートプレーニングでは、効果的と言えません。歯周ポケットが深くなればなるほど、深い部分の歯石・プラークを除去するのが困難になりますから、進行を抑制することができなくなってしまいます。
歯周病の手術には、プラークコントロールしやすくするための歯周ポケットを減らす手術、腫れが治まらない歯肉を切開する手術など、さまざまな手術があります。
抜歯が必要になるケースとは?
次のようなケースでは、抜歯が必要になる可能性があります。
- 歯のグラつきが大きい(左右だけでなく上下にも揺れる)
- 広範囲にわたって歯槽骨の吸収が進んでいる
- 周辺の歯に悪影響を及ぼしている(及ぼす可能性が高い)
しかし、抜歯が必要となる基準については、歯周病の歯だけでなく、周辺の歯への影響・患者様の生活習慣・持病など、多くのことを考慮する必要があり、明確にするのは困難です。
口の中全体のことを考えて抜歯の必要性を考慮する必要があり、上記に当てはまらなくても抜歯が必要になる場合もあります。
抜歯後の欠損治療
歯を抜いた後の治療法には、ブリッジ・入れ歯・インプラントがありますが、歯槽骨の吸収が進んでいる場合には、骨量を増やす治療をしなければインプラント治療ができない場合もあります。
重度の歯周病の場合、複数本の歯を失うケースも少なくありませんが、以前は入れ歯でしか対応できませんでした。
しかし、近年は骨吸収が進んでいる場合には骨造成や骨再生治療を行い、インプラント治療も行えるようになっています。
片顎全ての歯を失っているケースでも、総入れ歯ではなく、オールオン4という治療法によって、患者様の負担を抑えたインプラント治療も可能になっています。
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