痛みがないから気付きにくい!歯周病初期(歯肉炎)の症状
歯磨きをした時に、血が出たという経験はありませんか?
歯肉からの出血は、珍しい症状ではないかもしれません。しかし、歯周病の始まりは、つい見過ごしてしまう歯肉の出血や腫れなのです。
近年予防歯科が浸透しつつありますが、日本の歯科診療は治療中心であったために、「痛みが出てから歯医者へ行く」という認識の人がほとんどです。歯肉からの出血があっても、痛みさえなければ放置してしまう人が多いのです。
しかし、歯肉からの出血や腫れは、歯肉のトラブルのサインかもしれません。痛くなくても歯科を受診し、適切な処置を受けることが、歯周病を進行させないため、口の中の健康を維持するために重要なことなのです。
歯周病の初期段階では自覚できる初期症状はありません
歯周病初期(歯肉炎)の段階では、痛みなどの自覚できる症状はほとんどありません。このことが、歯周病を進行させやすい原因と言えるでしょう。
- 歯肉が腫れることがある
- 歯磨きをした時に出血したことがある
上記に当てはまる場合には、歯肉に炎症が起きている可能性があるため、適切な進行予防が必要でしょう。
歯周病初期は完治が可能
歯周病の初期段階(歯肉炎)は、歯肉に炎症が起こっている段階です。ある程度進行した歯周病でも、痛みなどの症状はありませんから、ご自身で「歯肉炎だろう」と思っていても、進行してしまっている場合もあるので注意が必要です。
中期・後期になると、歯槽骨の吸収が始まります。一度吸収された歯槽骨は元に戻すことはできませんから、元の健康な状態に戻すという意味で完治させることはできません。しかし、初期段階の歯肉炎であれば、元の健康な状態にまで治るのです。
歯周ポケットが深くなるほど、歯周病が進行し、歯槽骨の吸収が進んでいると判断できます。自覚症状のない歯周病は、歯周ポケットの深さを計る検査(プロ―ビング検査)を定期的に受け、発症の早期発見につなげることが大切です。
歯周病初期段階でよくある質問
Qセルフケアだけで治せませんか?
A正しいブラッシングを行い、プラークコントロールがきちんとできていれば、セルフケアだけでも(初期段階ならば)症状が改善する可能性はあります。
しかし、歯肉に炎症が起きたということは、セルフケアや生活習慣に、歯周病リスクとなる原因が隠れているかもしれないのです。適切なセルフケアができていなければ、歯周病を進行させてしまうことになります。
歯周病の初期治療とは、スケーリング(歯石除去)などのクリーニング、歯磨き指導や生活習慣の改善などを行いますが、今後の再発予防のためにも、定期的にクリーニングを受け、歯磨き方法・生活習慣の見直しが必要です。
Q口臭がキツイのですが、歯肉炎が原因ですか?
A歯周病は口臭の原因となります。歯周病の原因となる細菌が、ガスを発生するのです。
口臭が原因で、歯周病に気付く人も少なくありません。お口の臭いが気になる場合には、悩まず歯科医院で相談することが大切です。
Q抗生物質など薬で治すことはできませんか?
A歯周病を改善するために、薬物療法も行われていますが、やはり大切なのは初期治療です。
正しい歯磨き方法を身に付け、専門的クリーニングにより歯周病の原因となる歯石やプラークを徹底的に除去し、歯周病リスクを高める生活習慣を改善することが第一となります。
日頃からプラークや歯石を溜めない生活をすることが、歯周病の治療・予防に必要です。抗生物質など薬や使った治療や歯周外科などを行っても、一時的に症状は改善できますが、適切なプラークコントロールができていなければ再発させてしまうのです。
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