歯周病は治る?完治できる歯周病と完治困難な歯周病
歯周病は歯肉や歯槽骨などの歯周組織を破壊する感染症ですが、一度壊された組織は、ただの歯周病治療では元に戻すことはできません。
(保険が適用となる)歯周病治療とは、歯周病に感染する前の状態に戻すための治療ではなく、歯周病を進行させないための治療です。歯周病の進行を防ぎ、歯を失わずに済むようにするのです。
歯科疾患は歯周病に限らず、虫歯(初期の段階のものは除く)も治療を受けたからと言って、元の健康な状態に戻るわけではありませんよね…。
歯周病に限らず、歯科疾患に罹患すると、健康な状態に戻すのは困難であるため、予防と早期治療が重要になります。
完治可能な歯周病とは?
歯周病によって歯周組織が破壊されていない状態、つまり歯肉炎の段階であれば、治療により完治は可能です。
しかも、外科的な処置などは必要なく、ブラッシングや生活習慣の改善、歯石除去(スケーリング)、歯面クリーニングなど、負担のかからない処置のみで完治が可能です。
このことからも、歯周病の早期発見の重要性がうかがえると思います。
保険治療では重度歯周病は完治しない!?
保険がきく治療には限界があります。破壊された歯槽骨を元に戻すこともできませんし、退縮した歯肉を元に戻すこともできません。進行を抑えることはできても、歯肉が下がって、歯根が露出したままの、見た目の良くない口元になってしまう可能性もあります。
歯周病の進行状態によって異なりますが、保険治療ではトータル的な治療は困難なのです。
再生治療など、夢のような治療法も登場しているのですが、やはり末期状態にまで進行させてしまうと、行える治療が限られてしまう場合があります。
さまざまな最新治療が登場していますが、歯周病の進行段階によって、適応とならない場合もあります。治療の選択肢や治療費などを考慮しても、早めの治療が大切なのです。
歯周病で抜歯が必要になったら
歯周病がさらにひどくなると、歯がグラグラになったり、歯並びがガタガタになったり、口臭も強くなって、噛むことさえできなくなってしまいます。
残念ながら、ここまでひどくなってしまったら、抜歯も覚悟しなければならないでしょう。
インプラントや歯肉の移植、矯正治療などにより、歯の機能や歯肉の状態、歯並びなどを回復させることも可能ですが、保険治療で行う場合には、入れ歯治療を余儀なくされるケースも少なくありません。
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