歯周ポケットの改善法 – 4mm/6mm/8mmの深さ別歯周病治療と抜歯リスク

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歯周ポケットの改善法 – 4mm/6mm/8mmの深さ別歯周病治療と抜歯リスク 歯周ポケットの改善法 – 4mm/6mm/8mmの深さ別歯周病治療と抜歯リスク

歯周ポケットの深さが4mm・6mm・8mmの人の改善方法と抜歯リスク

歯周ポケットが深くなるほど抜歯リスクが高くなる

歯周ポケットが深くなればなるほど、歯周病が進行し、歯槽骨の吸収が進んでいます。歯肉が健康な状態であれば、歯周ポケットの深さは3mm以内ですから、4mmでは歯槽骨の吸収が始まったばかりの段階です。さらに6mm・8mmにもなると、歯槽骨の吸収は進んでいると言えるでしょう。

歯周ポケットが深くなればなるほど、抜歯のリスクが高くなり、治療期間も長くなります。ひどくなると外科的手術(歯周外科)が必要になりますから、その前に進行を食い止めることが重要です。

そもそも歯周ポケットが深くなるのはどうして?

先にもお話しした通り、健康な歯肉にも歯肉溝(歯周ポケット)があります。1~2mm程度の浅い溝なのですが、プラークが蓄積しやすい部分でもあります。
プラーク内の細菌が作り出す毒素によって炎症が起きると、歯肉が破壊されて溝は少しずつ深くなっていきます。深くなると、歯肉だけでなく歯槽骨や歯根膜をも破壊していきます。

歯周ポケットが深くなるほど細菌が繁殖しやすくなる

プラーク 深くなるほど細菌が繁殖しやすくなる

歯周病の原因となる細菌は、嫌気性菌であるため、酸素の少ない歯周ポケット内の環境を好みます。そのため、歯周ポケットが深くなるほど、細菌にとって繁殖しやすい環境となるのです。

進行を抑えるためには、歯周病菌のすみかであるプラークを除去することはもちろん、歯周ポケットを改善することが必要です。

歯周ポケットの深さが4mmの人の治療・抜歯リスク

歯周ポケット4ミリの深さ

歯周病治療の基本はブラッシングであり、プラークコントロールです。歯周ポケット4mmならば、セルフケアでもプラークコントロールが十分に行えます。
正しいブラッシングと歯科医院で行うスケーリングで、症状を改善することは可能でしょう。

適合していない被せ物などがある場合には、作り直してプラークコントロールを行いやすいようにします。
また、進行を抑制するために、噛み合わせの調整なども行います。

歯周ポケットが深くなり始めた段階とは言えますが、口臭や歯肉が下がるなどの症状も出てきます。早めの改善が必要でしょう。20代という若い年代でも、歯周ポケットが4mm程度になるケースは多いです。

必要な対処方法
  1. ブラッシング指導
  2. スケーリング
  3. 噛み合わせの調整

歯周ポケットが4mm程度ならば抜歯リスクは低い

歯周ポケットが4mmくらいならば、抜歯せずに済むケースが多いです。この段階までに適切な治療を始めることが大切でしょう。

歯周ポケットの深さが6mmの人の治療方法・抜歯リスク

歯周病の基本治療であるブラッシングの改善・スケーリングに加えて、ルートプレーニングが必要になります。深くなった歯周ポケット内に溜まった汚れや歯根に付着した歯石を除去する必要があるのです。
ルートプレーニングによって歯根の汚れを除去し、表面を滑らかにすることで汚れがつきにくくなります。
また、症例により異なりますが、6mmを超えるとフラップ手術など外科的な治療が必要になる可能性もあります。

歯周ポケットが6mm前後では、すっかり「進行した歯周病」です。歯の動揺や口臭、噛むと痛い、歯が浮いた感じがするなどの症状も出てきます。

歯周ポケットが6mmくらいから抜歯リスクが高くなってくる

歯周ポケットが6mmを超えると、歯槽骨の吸収も進んでいますし、さまざまな症状が現れてきます。歯を支える骨が半分くらいになっていると考えて良いでしょう。

口の中の状態によっては抜歯せざるを得ない場合もありますし、残せると診断された場合でも、日々のケアや通院状態によっては、抜歯が必要になる可能性も否定できません。
抜歯の一歩手前だと思って、治療に取り組まなければならないでしょう。

必要な対処方法
  1. ブラッシング指導
  2. スケーリング
  3. 噛み合わせの調整
  4. ルートプレーニング
  5. フラップ手術など外科的治療

歯周ポケットの深さが8mmの人の治療方法・抜歯リスク

歯周ポケット8ミリの深さ

歯周病は8mmほどになると、外科的治療(手術)が必要になります。歯肉を切開して歯根をむき出しにして、付着した歯石や汚染された歯質を除去するのです。
また、他の歯に悪影響を及ぼす場合には、抜歯が必要になります。抜歯リスクは大変高い状態だと言えるでしょう。この状態で、適切な治療を行わずに放置してしまうと、歯の脱落も起こり得ます。

外科手術と併せて再生治療が必要になることも

歯槽骨は、半分以上(2/3程度)が失われていると考えて良いでしょう。歯周ポケットが8mmにも及ぶ進行した歯周病では、歯の動揺が大きくなり、抜歯の必要性はとても高くなります。

歯周組織を破壊された歯を残すために、外科手術と併せて行われるのが再生治療です。エムドゲインGTRによって歯槽骨・歯根膜を再生させ、機能性や審美性の回復が可能になります。

必要な対処方法
  1. ブラッシング指導
  2. スケーリング
  3. 噛み合わせの調整
  4. ルートプレーニング
  5. フラップ手術など外科的治療
  6. 抜歯

治療後のメンテナンスが再発を防ぎます

歯周病治療によって症状が回復したら、メンテナンス期に移行します。治療が終わっても、再発を防ぐためのメンテナンスが必要なのです。

自分で行うプラークコントロールだけでは十分とは言えません。定期的に歯科医院で歯石取りやクリーニングなどを受け、徹底的に口の中の汚れを除去することで、効果的な再発予防が可能になります。

歯周ポケットの清掃は自分でできる?歯周ポケットの正しい磨き方とは

クリーニング中の歯科衛生士と患者

先にも解説した通り、歯周病の進行予防の基本は、プラークコントロールです。しかし、歯周ポケットが深くなってしまうと、プラークコントロールが行いにくくなってしまいます。
歯周ポケットが深くなって細菌が繁殖しやすい環境でありながら、清掃しにくいため、悪循環を招きかねません。

「歯周ポケットクリーナー」など、歯周ポケット内を清掃するための道具が市販されているようですが、歯周ポケット内を自分で清掃することは、おすすめできません
また、歯ブラシの毛先を、無理に歯周ポケットに押し込むようにしてブラッシングを行ってしまうと、歯肉に負担をかけてしまったり、汚れをポケット内におしこんでしまったり、逆効果となる可能性があります。
歯周ポケット内の清掃は、歯科医院で行ってもらいましょう。

歯周病治療が一段落しても、定期的に歯科医院のメンテナンスを受け、歯面や歯周ポケット内の汚れをしっかり除去してもらうことが再発予防には欠かせません。

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